現物出資とグループ内再編

グループ内での再編で現物出資を使うことがあります。
例えば、下記のように、P社がB社株式とC社株式をA社に現物出資して(A・B・C社はP社の子会社)、 B社及びC社をA社の子会社とするような場合です。

事業を現物出資するような場合は、企業結合会計の対象となりますが、このケースは事業ではなくB社またはC社という株式を現物出資しているので、企業結合会計の対象外とされています。
その場合、現物出資するB社株式及びC社株式は、現物出資時点の時価で評価すべきでしょうか。


ここは、出資が株式の形態であっても、実質は共通支配下にある企業間の事業の移転であるので、P社における適正な帳簿価額で評価するのが適当と考えられます。
実質的にも、B社やC社に対するP社の投資はA社を通じて継続しているので、時価評価してP社で損益を認識することは適切でないと思います。


税務上は、100%支配関係にある企業グループ内の現物出資や、50%超の支配関係のある企業グループ内の現物出資で一定の要件を満たす場合などは適格現物出資となり、簿価で出資を受けたものとして処理します。