税制改正(平成23年12月)と税効果会計

平成23年12月2日に改正法人税法や復興財源確保法が公布され、税率の改正が確定しました。


当該改正によって税効果会計も影響を受けますが、新日本有限責任監査法人のホームページに留意事項がアップされています。


税制改正(平成23年12月)による税効果会計適用上の留意事項


私の一番の疑問点は、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第66号)で会社分類1の会社の実効税率の取扱いでした。
すなわち、復興特別法人税平成24年4月1日以後開始する事業年度から3年間の時限措置として課されるため、その3年間とその後の年度との実効税率が異なってくるわけですが、会社分類1の会社は将来の課税所得が十分ある会社としてスケジューリング不能な差異を計上しているもののどの実効税率を適用するのかが疑問でした。


この点、新日本では以下のような見解を示しています。

66号5の会社分類が1のケースでは、スケジューリングを行わなくとも繰延税金資産が回収可能と判断され、スケジューリング不能な将来減算一時差異に対しても繰延税金資産を計上していることがあるかと思います。このとき、スケジューリングが可能な一時差異等については、Q4の回答に記載したとおり、スケジューリングに応じて適用される税率が異なることになります。一方、スケジューリング不能なものについては、回収が見込まれる期が厳密に見積もれないため、税率変更を前提とした場合でも、復興特別法人税を織り込んだ法定実効税率を用いることは適切ではなく、3月決算を前提とすると、平成28年3月期以降に適用される税率を用いることが適当と考えられます。

スケジューリング不能なものはいつ一時差異が解消するかわからないので、復興特別法人税を織り込まない税率のほうが保守的なのでしょう。